東京フォーラム2019抄録(午後の部)

森林セルフケア~森林環境における心身へのアプローチ

降矢英成(赤坂溜池クリニック院長、NPO法人日本ホリスティック医学協会会長、NPO法人日本森林療法協会理事)

 

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「森林セルフケア」とは、ガイドやセラピストに森で癒してもらうという他力本願的なやり方ではなく、「自分自身」で森林でケアする方法です。当日は、隣接する代々木公園に行き、「森林セルフケア体験」を行いたいと思います。具体的な内容は、①五感を開く体験、②養生法的な体験、③観察的な体験、④心理療法的な体験の4つを実際に体験していただこうと思います。森林という環境は、自分を開放し、自分の心に向き合い、気づきを得ることをしやすい環境です。その入り口だけでも、このセッションで体験していただければと思っています。

 

PROFILE
東京医科大学卒業。body-mind-spiritの視点から「ホリスティック医学」を理念として1997年赤坂溜池クリニックを開設。植物、自然を活用したケアに関心が強く、「森林養生プログラム」にも取り組み、最近ではエネルギー医学についても追究している。日本心身医学会専門医。著書『森林療法ハンドブック』(東京堂出版)、『カラダとココロの自然療法』(枻出版)等。

 


Contemplative Theatre 〜 マインドフル・リスニングから生まれる演劇

小木戸 利光(アーティスト、Theatre for Peace and Conflict Resolution 代表)

井本 由紀(教育人類学者・慶應大学専任講師)

 

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本ワークショップでは、私たちが主に大学教育の現場で協同で研究を積み重ねてきているContemplative Theatreのプログラムの一端をみなさんと共有します。Contemplative Theatreは、演じることを目的とはしていません。意識を研ぎ澄ませながら、自己・他者・環境とのかかわりに気づき、立ち現れるあらゆる経験・現象に思いやりを向け、心と体の声に身をまかせると、そこには物語があらわれてきます。Contemplative Theatreとは、自分・他者・環境をマインドフルに聴き、調和へと向かおうとする統合的なプロセスそのものであるともいえます。今回は、様々なマインドフル・リスニングのワークをペアやグループで体験しながら、身体と身体で「聴き合う」シアターワークを探求していきます。

 

PROFILE
小木戸 利光:英国ノーザンブリア大学 演劇パフォーマンス科 修了。主な出演作に、NHK「あんとき、」主演、TBS「報道特集」密着ドキュメンタリー等がある。
シアターワークの実践家として、国内外の教育機関・企業・講演・学会で応用演劇法による実践コースを担当するほか、芸術療法としてのドラマ・ムーブメントセラピーを施す。

 

井本 由紀:オックスフォード大学大学院卒業、文化人類学博士。2017年にフルブライト研究員としてマインドフルネスに基づく教育- contemplative education-についての調査を米国各地で行う。国内外にてマインドフルネス・コンパッション・人類学的思考に基づく教育プログラムの開発研究と実施にかかわっている。


「東洋思想と心身と環境」分科会

講演:『心・身・霊』に関わる私の修行体験

定方昭夫(新潟樹林気功会代表)

分科会座長:合田秀行(日本大学教授、仏教学・比較思想)

コメンテーター:長谷川智(山伏)

 

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 講師の定方昭夫先生は、若いときにヨーガ行を始められましたが、ユング派の夢分析を受けたのを契機に「気」の重要性に気づき、気功を本格的に始めることになりました。この分科会では気功を通じてのささやかな体験とともに、立禅ともいわれる站とう功の基本的立ち方をお伝えいただくことになっています。最後に座談会の時間を設けます。

 

PROFILE

定方昭夫:1944年生まれ、上智大学博士課程修了、元長岡大学教授、人体科学会理事、人体科学会元副会長、学会誌「人体科学」元編集長、人体科学会研究サロン「気功の可能性を考える会」共同代表、日本健身気功協会監事

 


「ソマティック組織開発における事例紹介及び今後の可能性」分科会

小笠原和葉(ボディーワーカー/『Magellan』編集長)

有本匡男(日本ホリスティック医学協会 常任理事日本タッチ協会 共同代表日本ソマティック心理学協会 SPN関東世話人 )

※ほか1名登壇予定 

 

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米Google社における展開をはじめとしたマインドフルネスブームや、ケン・ウィルバーのインテグラル理論をベースとしたティール組織を中心としたムーブメント等。
ビジネス界に起こっている、全く新しいパラダイムへのニーズの高まりに「ソマティック」はどう答えることが出来るだろうか?
そんな問いから、ソマティック畑・組織開発畑の人材が集まってスタートした「ソマティック組織開発研究会」。その活動や契機となった問い、事例についてご紹介します。

 

PROFILE

 小笠原和葉:代替医療を中心として学術・臨床研究を深めながらさまざまな発信や コラボレーションを通して新しい健康観「健康3.0」を探求している。
 著書「システム感情片付け術」(日貿出版社) クラ二オセイクラル・プラクティショナー(CHA)アシスタント・チューター Somatic Experiencing®認定プラクティショナー  宇宙物理学修士/東北大学医学部大学院研究生

 

有本匡男:セラピスト。シンプルなタッチケア、“ZEN Touch”でクライアントの心身のケア、変容のサポートを行う傍ら、個人の集合である組織の健康、身体知の向上を目的とした「ソマティック組織開発研究会」のメンバーとしても活動。他様々な協会活動にも従事。ホリスティックな観点からのバランス感のある事象の捉え方に定評あり。