東京フォーラム2019抄録(午前の部)

アマゾン・ジャングルから心身ケアを感じる

戸田美紀(環境学博士。NPO法人日本ヒーリングタッチ協会会長)

 

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このワークのテーマは“つながり”です。南米アマゾンの自然を紹介しながら、共生や循環のダイナミズムに触れ、“つながり”を大きな視点から捉えていきます。さらに、心身のホリスティックケアをマッピングし、これらのつながりと健康について理解を深めます。バイオフィールドタッチケアの実習を行い、身近な“つながり”へと視点を移していきます。ブレインワークとバイオフィールドワークを通じて、ホリスティックケアへの歩みを進めていきます。

 

PROFILE
環境学博士。早稲田大学招聘研究員。HTI認定ヒーリングタッチ・プラクティショナー/インストラクター(CHTP/I)。NPO法人日本ヒーリングタッチ協会会長。アマゾンなど熱帯林地域における環境・社会を研究。バイオフィールドワークを実践、講義。自然環境やハートが導く健康・変容を探究しながら、ヒーリングタッチ、ホリスティックケアの普及に努める。

 


香り ”ONE TASTE”  ただそこにあるもの

松尾祥子(公認心理師・臨床心理士 SAFARI代表 赤坂溜池クリニックホリスティックヘルス情報室心理士)

 

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私たちの毎日は先入観というメガネにどれだけ彩られているのでしょう。そこにあるものを十分に経験すること。自分自身が経験したことを表現し、知り合い、学び合うこと。それが、現代社会が抱える課題の本質をよく理解することであり、個人や社会の発達を促します。サスティナビリティ(持続可能性)には、依存阻害型を旧来型社会として、自立自律共生型社会への移行が必要と言われます。その教育方法として、身体に備わるセンサーである五感の中の嗅覚を利用した実践を紹介し、体験を誘導します。

嗅覚のもつ特殊性や性質を活かし、意識の向け方を変化させながら匂いに接し、自己やサスティナブルな社会について理解を深めるワークショップです。 

 

PROFILE
心理臨床を実践するなか、個人の問題と社会との関わりに関心を抱く。生きづらさを抱える若者たちと世界を巡り、環境は人の健康と幸福に関わることを実感する。現在、社会学者や環境学者とともにサスティナビリティ研究を行ないながら、共生型社会をつくるべく日本の田舎と呼ばれる各地域で活動する人材の支援育成をする。

 


出羽三山・羽黒修験における自然・社会・身体

長谷川智(山伏、一橋大学非常勤講師、協会運営委員)

九門大士(亜細亜大学アジア研究所教授、東京大学公共政策大学院非常勤講師)

 

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私たちの毎日は先入観というメガネにどれだけ彩られているのでしょう。そこにあるものを十分に出羽三山において、自然がどのように思想化されてきたのか、そのマンダラとしての山岳で、どのような修行が行われてきたのかを、ソマティック的な学びを通じて理解して頂きます。そして、人・社会・自然との関わりを考える、成人儀礼としての修行の意味を考察します。「伝統を今に生かす」のコンセプトのもと、現在、大学教育の現場で展開するためのキャリア教育のプログラムを九門大士先生と共同研究中です。本講座では、その一端をご紹介させて頂きます。(長谷川智)

 

 

PROFILE

長谷川 智:筑波大学大学院修了(スポーツ心理学、剣道)。羽黒派古修験道先達二十度位。一橋大学他非常勤講師。40年近くに渡り、ヨーガや瞑想・滝行等、東洋的修行法を実践的に研究、指導。身心両面からのアプローチによる魂の修行、真の人間形成の道探究の途上にある。各大学で、東洋の伝統的身心技法をソマティック心理学的視点で指導。

 

九門 大士:慶應義塾大学法学部政治学科卒業。ミシガン大学公共政策大学院修士号(公共政策)。日本における外国人人材の活用、中国・アジアにおける人材育成・教育(グローバルリーダーシップ開発、キャリア教育)を研究。それらに関する講義・研修などを 日本、中国、タイなど、アジア各国の企業・政府機関・教育機関に幅広く提供している。
『アジアで働く』(英治出版=単著、2012年)、『中国進出企業の人材活用と人事戦略』(ジェトロ=共著、2005年)など著書多数。

 


形から気配を感じる-妖怪から学ぶケアと共生-

甲田烈(東洋大学井上円了研究センター客員研究員)

名川敬子(ソダテルLABO共同代表)

 

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今回のワークショップでは人が「自然の中から気配を感じる」とはどういうことか? ということを、都会の中にある森(公園)で体験してもらいたいと思います。現代に生きる私たちには「気配」を感じとるセンサーがまだ残っているでしょうか? 混沌を極めている現代社会において、「少しの変化」を感じとる能力は一番必要かもしれません。あなたはこの世界の中から生き残ることができるのか? それは実は先人たちの知恵である 「妖怪を感じ取ることができる能力」に隠されているかもしれません。今回は簡単で楽しいワークショップで体験していただきたいと思っています。(※小雨決行。雨天の場合は室内のみのプログラムになります。)

 

 

PROFILE

 甲田烈:1971年、東京生まれ。東洋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専攻は仏教学。関心領域は妖怪学・比較哲学・インテグラル理論。相模女子大学非常勤講師を経て、現東洋大学井上円了研究センター客員研究員。著書は『水木しげると妖怪の哲学』(イーストプレス)、共著に『インテグラル理論入門Ⅰ・Ⅱ』(春秋社)がある。

 

名川敬子:SODATEL LABO は宮崎喜一が愛知県立芸術大学などで30年研究開発してきたプログラムに、名川敬子のこどもの造形教育を組み合わせたメソッド。現在「S =感性 」「0 =独創性」「D=開発」「A =芸術・ 美意識」「T =意思・ ひらめき」「E =環境」「L=言葉」をキーワードに、自然の中で、様々なワークショップを展開している。2018年には 横浜美術館にて年6回のプログラムを開催。