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講師インタビュー 第7回 大山理恵子さん

 

 

ピラティス 大山理恵子さん

 

 

 

ooyama◆ピラティスとの出会いについて教えてください

 

 

 

◇元々はジムに通いウエイトやマシンを使うトレーニングをよくやっていましたが、その頃に習い始めたダンスの先生に「部分的に鍛えるマシントレーニングより、体全体のバランスをとるようなトレーニング」を勧められたことがピラティスに注目するきっかけとなり、その後ジムでグループレッスンを体験してから、主催者として地元のスタジオに先生をよんでレッスンを始めたりしていきました。

 

それまではリフレクソロジスト(ホリスティックに生活全般に関わる)として整体の方と仕事をしていたのですが、「また辛くなったら来てくださいね」という整体の方と、原因根本の解決と予防のためのセルフケアを指導する私との方針がズレていったのもピラティスのインストラクターの資格をとってみようという契機になりました。よく簡単に「いい姿勢をとりましょう」といいますが、自分ではわからないことが多いのですよね。

 

数あるピラティスの団体の中で私は「ポールスターピラティス」という割と医療系の人が多いところで学びました。そこでエネルギー医療、バイオエナジェテックなどの言葉と出会い、ソマティック心理学に興味を持ち勉強会に参加したりするうちに、改めてそれまでの経験も踏まえて「心と体はつながっている!」との思いを強く持つことになりました。

 

 

 

 

 

◆改めて「ピラティス」とは?

 

 

 

◇日常生活で身についてしまった動きの癖や姿勢の偏りは、痛みや不調の原因になります。

 

エクササイズを通して何が違うのかに気付いて、それを意識して動かすことで、使われなくなってしまった筋肉がよみがえります。筋肉は必要なところがしっかりと働くと、硬くなっていたカラダは緩み本来の動きを取り戻します。それは単に緩めるというのとは違うんです。

 

ピラティスでは筋肉の「伸張性の収縮」を大事にして、関節のスペースを保つようにエクササイズをします。歳をとると背が縮みますが、背骨のひとつひとつのスペースを空けるように伸ばしながらエクササイズをすると改善できます。部分的な筋肉の使い方の偏りが、関節に歪みを生んだり、また全身に影響したりします。私たちは、まずはそれに気付くことのお手伝いをして、それから全身のつながりをみてバランスを整えながら機能的な身体の使い方を一緒に学びます。機能的な使い方ができているとグラウンデイングがしやすくなるんですよ。しっかり立てる、しっかり動ける・・・。グラウンデイングがあると他のワークで感情解放してもグラっとこない、あとでちゃんと現実に戻ることもできる。これもとっても大事だと思うんです。

 

 

 

◆今回のソマティックフェスタでの目玉は?

 

 

 

◇よく皆さんが目にするピラティスはマットを使ったレッスンが多いと思いますが、本来ピラティスは「イクイプメント」という専用マシンを使いプライベートセッションを主に行います。「イクイプメント」からは自分のカラダの状況をチェックできるフィードバックがあり、カラダのどこの部分に無理があるのか、なぜバランスが取れないのか等がとてもよくわかります。そして全身がエンゲージされた時、余分な力を使わないでもエクササイズができることに気付きます。自分の体を観察すると、とても面白い発見がありますね。

 

いくつかある「イクイプメント」を本当はすべて持ってきて紹介したいのですが、「リフォーマー」や「トラップテーブル」はとても大きすぎて無理なので、今回は「スパイン(背骨)コレクター」とできれば「チェア」を使ってみようと思います。「スパインコレクター」はお腹をしっかり使いながら背骨を均等に柔らかく動かすことを学びます。仰向け、うつ伏せ、横になったり、とにかく体感してみてください!! 自分の後ろ側って普段意識しないところですよね。「あれっ?ここから全然動かない〜。」なんて気付いたりします。背骨って上手に使うと疲れなくなるんですよ。呼吸の仕方も変わってくると思います。

 

ピラティスのエクササイズはアスリートから障害のある人まで、誰でも安全にできるのも特徴です。そもそも「ピラティス」は1900年初頭の生活様式が急激に変化する中、ジョセフ・ピラテイス氏が、“このままでは人間の体や生活はおかしくなる!”と危機感を抱いて考え出したメソッドです。「コントロロジー」と名付けて、Body, Mind, Spiritの調和を目標におき、人々が心も体も安定して生活が送れるようにと願ったものです。現代の私たちにもとても必要なメソッドなのだと思います。

 

 

 

◆現在、理恵子さんは熱海・三島方面を中心にピラティスプライベートセッションを主にやっています。ご自分のスタジオではいくつもの「イクイプメント」を使ってレッスンをされているそうです。なかなか熱海まで通えない方も、この機会に理恵子さんのレッスンで「あっ違う!!」を是非体感してみてください。

 

 

 

(インタビューアー 荒井英恵)