オーストラリアの俳優、フレデリック・M・アレクサンダー(1869-1955)が開発したメソッド。「身体の緊張は、首の緊張が大きく関係している」「頭が先に動いて身体が後からついてくる」という考えに基づき、首が緊張しない姿勢に導くことで、抑制されていた身体の能力を高めていく。現在も、音楽家や俳優、ダンサーなどがパフォーマンスアップのために活用していることが多い。
主な参考図書
『人類の最高遺産』(風媒社、2015)
『心と体の不調を解消するアレクサンダーテクニーク入門』(日本実業出版社、2014
ロルフィング(Rolfing)とは、科学者のアイダ・ロルフ(1896-1979
)が創始した、身体の「構造的統合」を図るハンズ・オン・ボディワーク。筋肉や臓器などをつないでいる結合組織である「筋膜」に優しくアプローチすることにより、重力に調和的な身体へと調整していく。それにより、生活習慣や動き方のクセによって限定されていた身体の可動性がフレキシブルに改善される。10回のセッションを1セットで全身の筋膜を調整する治療的フォーマットが確立されている。
物理学者・技術者・柔道家であるモーシェ・フェルデンクライス(1904-1984
)が創始した、新たな神経回路に働きかける身体教育メソッド。私たちは、自分の慣れ親しんだ神経パターンによって身体を無意識に動かしており、それがときに緊張した身体の使い方となってしまうことがあるが、フェルデンクライス・メソッドでは、身体をゆっくりと意識的に動かすことで、慣れ親しんだ神経パターンから、新しい神経パターンを作り出し、より快適で心地よい動きに変えていくことができる。
主な参考図書:
『フェルデンクライス身体訓練法―からだからこころをひらく』(大和書房、1993)
クレニオセイクラルセラピー(Craniosacral Therapy)とは、「頭蓋骨仙骨療法」と呼ばれるアプローチで、アメリカのオステオパス、ジョン・E・アプレジャー(1932-2012)がオステパシーを元に発展させたもの。脳と脊髄を中心とする頭蓋仙骨システムに、「5gタッチ」と呼ばれるやさしいタッチによって働きかけることで、脳脊髄液の流れを促し、身体の組織や筋膜の緊張を解放していく。
主な参考図書:
『クレニオ・セイクラル・セラピー−ナチュラル・ヒーリングの試金石』(たにぐち書店、2005)
『クラニオセイクラルセラピー』(ガイアブックス、2015)
クラニオセイクラル・バイオダイナミクス(Craniosacral
Biodynamics)とは、クラニオセイクラルセラピーの流派の一つで、バイオダイナミクスは、「生命の力学」を意味するもの。脳脊髄液の流れなどを促す「クラニオセイクラル・リズム(第一次呼吸)」は、肺呼吸よりも前にある原初の呼吸であるとして、クライアントの第一次呼吸を、プラクティショナーの繊細なタッチで導き出し、治癒力(ポーテンシー)を引き出すとしている。
主な参考図書:
『クラニオセイクラル・バイオダイナミクスVOL.1』(エンタプライズ、2007)
『クラニオセイクラル・バイオダイナミクスVOL.2』(エンタプライズ、2006)
センサリー・アウェアネス(Sensory Awareness)とは、20世紀初めに、ドイツのエルザ・ギンドラー(1885-1961)が作り出し、その弟子であるシャーロット・セルバー(1901-2003)がアメリカに移住し、名付けた手法。
主な参考図書:『センサリーアウェアネス』(ビイングネットプレス、2014)
ローゼンメソッド(Rosen Method
Bodywork)とは、「身体には感情が記憶されている」という臨床的な経験に基づき、タッチングによって感情を解放するメソッド。アメリカの理学療法士であるマリオン・ローゼン(1914―2012)が開発。言葉がけとともに、「アクティブハンド(積極的傾聴)」と「リスニングハンド(受容的傾聴)」の2つの手で、身体に直接触れて動かしながら、クライアントの身体に蓄積した感情を解放していく。二人称(共感的)な意識を持って触れることを重要視している。
主な参考図書:『ローゼンメソッド・ボディワーク』(BABジャパン、2013)
ローゼンメソッド・ムーヴメント(Rosen Method Movement)心身を解放するセルフケア法として、アメリカの理学療法士であるマリオン・ローゼン女史が開発。決まった動きや美しい型ではなく、自分の心地よい身体の感覚になることを目指し、ゆるやかなムーブメントで自由に動いたり踊れるのが特徴。理学療法をベースに創られているため、高齢者などの運動にも活用できる。1人で動くワークの他、全員で踊ったり、手当て的なワークもムーブメントの中に盛り込まれている。