基調講演・教育講演|東京フォーラム2020抄録

13:00―13:40 基調講演【101教室】

病院の外で行う統合医療 -「社会的処方箋」や「自然欠乏症候群」をふまえて

山本竜隆(朝霧高原診療所院長 昭和大学医学部客員教授)

 

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統合医療は癌などの難病を、現代西洋医学と、様々な医療を集結して、個々に合わせてコーディネイトする医療と認識されているように思う。しかし統合医療には、予防や養生分野も含まれるし、社会医学や公衆衛生分野も、その重要な要素である。すでに欧州では、医学モデルと社会モデルを融合した統合医療が実施され、実際に郊外では地域医療と、自然や社会環境を活かした医療の両輪で運営する統合医療モデルが稼働している。

本邦では2025年を目標に地域包括ケアシステムの構築を進めているが、その内容は地域型統合医療であり、欧州型統合医療モデルとの共通点が多く、地域性を反映している。

今回は、統合医療と関連する「社会的処方箋」や「自然欠乏症候群」、「マインドフルネス」などのキーワードなどに触れながら、富士山麓・朝霧高原での活動を報告したい。

 

PROFILE

朝霧高原診療所院長 昭和大学医学部客員教授

聖マリアンナ医科大学、昭和大学医学部大学院卒業。

内科研修・医学研究の後「アンドルー・ワイル」が主催する米国アリゾナ大学医学部統合医療プログラムAssociate Fellow(2000-02年)をアジアで初めて修了。現在は、地域で51年ぶりの診療所と、自然環境を活かした2つのウエルネス滞在施設「日月倶楽部」「富士山静養園」を運営している。

 

13:40―14:20 教育講演【101教室】

Care of the Soma, Care of the Environment -「尽十方界真実人体」の立場から

藤田一照 (曹洞宗僧侶 ソマティック禅、協会顧問)

 

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 道元禅のキーワードの一つ「尽十方界真実人体」はソーマを見事に捉えた真実語である。この言葉を手掛かりに、第3人称的に対象化されたボディや環境ではなく、ソーマ/環境の全体性に言及し、それをケアするとはどういうことかを論じてみたい。ボディワークやエコロジーをさらに深化させる足場を見つけられるだろうか?

 

PROFILE

愛媛県生まれ。東京大学大学院(発達心理学専攻)在籍中に坐禅に出会い、29 歳で得度。33 歳で渡米し、17 年半にわたって禅を指導。2005 年に帰国。オンライン禅コミュニティ大空山磨塼寺住職。曹洞宗国際センター前所長。公式ホームページhttp://fujitaissho.info/ 最新著に『ブッダが教える愉快な生き方』

 

9:45―10:00 オープニング講演【101教室】

オープニング講演

久保隆司(日本ソマティック心理学協会会長、臨床心理士早稲田大学非常勤講師)

 

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心と身体のつながりに注目する「ソマティック心理学」において、従来、文化的、社会的、自然的環境は大きなファクターでありながら、忘れられがちでした。Withコロナの時代、心身と環境/エコロジーに焦点を当てる今回のフォーラム開始にあたり、全体的な案内をします。

 

PROFILE

大阪大学人間科学部卒。ジョン・F・ケネディ大学修士課程(ソマティック心理学/インテグラル理論専攻)修了。國學院大學文学研究科博士後期課程(神道学・宗教学専攻)単位取得満期退学。早稲田大学文学学術院非常勤講師(心身論)。臨床心理士。ローゼンメソッド認定ボディワーカー他。著訳書:『ソマティック心理学』(春秋社)『入門 インテグラル理論』(日本能率協会マネジメントセンター)、『ソマティック心理学への招待』(コスモスライブラリー)、『これだけは知っておきたいPTSDとトラウマの基礎知識』(創元社)、『ローゼンメソッド ・ボディワーク』(BABジャパン)他。