東京フォーラム2019抄録(基調講演)

基調講演:Care of the Soma, Care of the Environment〜「尽十方界真実人体」の立場から〜

藤田一照 (曹洞宗僧侶 ソマティック禅、協会顧問)

 

CONTENT

 道元禅のキーワードの一つ「尽十方界真実人体」はソーマを見事に捉えた真実語である。この言葉を手掛かりに、第3人称的に対象化されたボディや環境ではなく、ソーマ/環境の全体性に言及し、それをケアするとはどういうことかを論じてみたい。ボディワークやエコロジーをさらに深化させる足場を見つけられるだろうか?

 

PROFILE
愛媛県生まれ。東京大学大学院(発達心理学専攻)在籍中に坐禅に出会い、29 歳で得度。33 歳で渡米し、17 年半にわたって禅を指導。2005 年に帰国。オンライン禅コミュニティ大空山磨塼寺住職。曹洞宗国際センター前所長。公式ホームページhttp://fujitaissho.info/ 最新著に『ブッダが教える愉快な生き方』

 


教育講演:統合医療を「下医は病気を治し、中医は人を治し、上医は社会を治す」で考える

山本竜隆(朝霧高原診療所・富士山静養園・日月倶楽部)

 

CONTENT

統合医療は癌などの難病を、現代西洋医学と、様々な医療を集結して、個々に合わせてコーディネイトする医療と認識されているように思う。しかし統合医療には、予防や養生分野も含まれるし、社会医学や公衆衛生分野も、その重要な要素である。
すでに欧州では、医学と社会学を融合した統合医療が実施され、実際に田舎では地域医療と、自然や社会環境を活かした医療の両輪で運営する統合医療モデルが稼働している。本邦では2025年を目標に地域包括ケアシステムの構築を進めているが、その内容は地域型統合医療であり、欧州型統合医療モデルとの共通点が多く、地域性を反映している。今回は、統合医療と関連する「社会的処方箋」や「自然欠乏症候群」、「マインドフルネス」などのキーワードなどにも触れ活動を報告したい。
 

PROFILE
1966年 神奈川県生まれ 桐朋高校卒業。
聖マリアンナ医科大学、昭和大学医学部大学院卒業。 内科研修・医学研究の後「アンドルー・ワイル」が主催する米国アリゾナ大学医学部統合医療プログラムAssociate Fellow(2000年~2002年)をアジアで初めて修了。現在は、地域で51年ぶりとなる診療所と、地域自然やコミュニティーを活かした2つのウエルネス滞在施設「日月倶楽部」「富士山静養園」を運営している。

 


オープニング講演

久保隆司(日本ソマティック心理学協会会長、臨床心理士)

 

CONTENT

 心と身体のつながりに注目する「ソマティック心理学」において、文化的、社会的、自然的環境は大きなファクターでありながら、忘れられがちである面も否定できません。心身と環境/エコロジーに焦点を当てる今回のフォーラム開始にあたり、全体的な案内をします。

 

PROFILE

大阪大学人間科学部卒。ジョン・F・ケネディ大学修士課程(ソマティック心理学/インテグラル理論専攻)修了。國學院大學文学研究科博士課程(神道学・宗教学専攻)満期退学。ローゼンメソッド認定ボディワーカー他。著訳書:『ソマティック心理学』『インテグラル理論入門I&II』(春秋社)、『ソマティック心理学への招待』(コスモスライブラリー)、『これだけは知っておきたいPTSDとトラウマの基礎知識』(創元社)、『ローゼンメソッド ・ボディワーク』(BABジャパン)他。integralsomatics.jp